製品の概要
T-スプリングとは、 ボルト・ナットを締付けた後、ボルトの余長部に取付けることでナットの緩みを防止する緩み止め金具です。平成 27 年に製品の製造販売を開始してから 、 建築業界 で主に採用されております。 特に ボルト・ナットの施工後に取付けることが可能な為、 緩み止めの無い箇所のボルト・ナットにも余長が 3 山以上あれば取付けが可能です。 材質はステンレス製( SUS304 )ですが、 鉄製の電気めっき、溶融亜鉛めっき製のボルト ・ナットにもご使用頂けます。

製品の特長
T-スプリングは 、 六角と丸のスプリングで構成されており、丸の部分がボルトに取付けた際、ボルトの中心方向と縦方向に強固に緊縮し、T-スプリン グ自体が振動外力に対し動きません。その為、T-スプリングを取付けたナットが緩もうとした場合、ボルトのねじ山をT-スプリングが埋めているので、ナットの緩みを防止する効果があります。
ゆるみ止め構造
基本情報
単位:mm
呼び | 対辺(S) ±0.15 | 内辺(φDi) ±0.20 | 高さ(H) +0.20 | 素線径(t) ±0.15 |
---|---|---|---|---|
M4 | 7.00 | 3.00 | 2.00 | 0.50 |
M5 | 8.00 | 4.10 | 2.40 | 0.60 |
M6 | 10.00 | 4.90 | 2.80 | 0.70 |
M8 | 13.00 | 6.50 | 3.60 | 0.90 |
W3/8 | 17.00 | 7.60 | 4.40 | 1.10 |
M10 | 17.00 | 8.10 | 4.00 | 1.00 |
W1/2 | 21.00 | 10.10 | 4.80 | 1.20 |
M12 | 19.00 | 9.80 | 4.80 | 1.20 |
M16 | 24.00 | 13.50 | 5.60 | 1.40 |
W3/4 | 30.00 | 15.90 | 7.20 | 1.80 |
M20 | 30.00 | 16.90 | 7.20 | 1.80 |
M22 | 32.00 | 18.70 | 7.20 | 1.80 |
M24 | 36.00 | 20.10 | 8.00 | 2.00 |
M27 | 41.00 | 23.00 | 8.00 | 2.00 |
M30 | 46.00 | 25.50 | 10.00 | 2.50 |
M33 | 50.00 | 28.50 | 10.00 | 2.50 |
M36 | 55.00 | 30.90 | 10.40 | 2.60 |
M42 | 65.00 | 36.20 | 11.60 | 2.90 |
M48 | 75.00 | 41.30 | 12.80 | 3.20 |
スプリング材質:JIS G 4314 の SUS304-WPB
注記) 形状寸法はメーカーの都合により変更する場合がございます。
試験概要
ボルト締結体において、ボルトに加わる軸力は、使用するボルトやナットの種類、そしてその表面の状態によって大きく影響を受けます。
また、振動や外力によるボルト・ナットの緩みは大きな課題の一つです。この問題に対しては、緩み防止ナットなどの対策が現状では取られています。
今回の試験では、「シングルナット」と「シングルナット+T-スプリング」の組み合わせを対象に、使用するサイズを考慮しながら緩み止め性能を確認するために試験を実施しました。
試験対象材
シングルナット+T-スプリング

・シングルナットと組合せ使用し、ボルトのねじ余長部分にナットに接する形で T-スプリングを取付けて、ナットの緩み・脱落を防止。尚、T-スプリングは全て SUS304(ステンレス)製品。
試験項目
試験項目 | 試験の概要 |
振動試験 | 試験対象材の緩み防止性能を振動試験機を用いて確認する。締付けトルクは被締結体の肌すきが無いよう密着させた(手締め程度)状態で試験を実施した。 |
試験方法
・緩み試験
緩み止めナットの性能を確認するための緩み試験方法は、わが国では JIS 規格等公的な試験方法が確立されていないので、本試験ではアメリカ宇宙航空規格 NAS3350 に規定する振動試験方法を準用して試験を行うこととする。
・試験装置
試験装置はボルト・ナットに繰返し衝撃がかかる衝撃型振動試験機を用い振動試験を行うこととする。写真1に振動試験機の外観を、図1に試験機冶具への取付け状況を示す。

写真1 振動試験機の外観

図1 試験機冶具への試験体取付け

写真2 振動ストローク

写真3 衝撃ストローク

写真4 加速度計
試験条件

試験方法
- 試験に先立ち、写真4に示すように 1750 回/分(周波数:29.2Hz)の振動を与えたときの振動加速度の値を加速度計を用いて実測し、また振動周波数が正確な正弦(サイン)波形であることを確認する。
- 試験体を表3に示すトルクで試験冶具に取付け、表4に示す条件で振動試験を行う。
- 緩みの判定基準は、NAS3350 の規定を準用し、振動回数の上限 30,000 回に達してもナットの緩み・脱落しないこととし、ボルト・ナット(T-スプリング)の相対的なズレが 360°以内であれば合格とする。
- なお、試験途中でナットが脱落した時には、その時の振動回数を試験機のデジタルカウンターで測定することとする。
試験結果

まとめ
試験結果をまとめるとシングルナット+T-スプリングは、SUS304 ステンレス品(M4、M6、M12、M16)、三価クロメート品(M36、M42)、溶融亜鉛めっき品(M36、M42)全ての試験体について、ナットの緩み・脱落はなく、振動試験に合格しており、一般的に使用されるボルト・ナットの余長部に取付けることで、T-スプリングが十分なゆるみ防止性能を有していると評価できる結果となりました。
使用方法
取り付け時に準備頂く物

12角ソケットレンチを使用する場合

*T-スプリング取付け完了時、ボルト余長が 1 山以上でていること。
T-スプリング専用ソケットを使用する場合

*T-スプリング取付け完了時、ボルト余長が 1 山以上でていること。
T-スプリングの取外し方法(12 角ソケット、専用ソケット兼用)
